エベレストといえば世界一標高の高い山として知られています。
ですが、そのエベレストが厳密にどこの国の山なのかまで答えられるでしょうか。
有名なだけに、エベレストがどこの国の山なのか知らないと恥をかくかもしません。
そこで、今回はエベレスト(チョモランマ)がどこの国の山なのかをご紹介するとともに、登山料や登山ルートについてもご紹介します。
『エベレスト』はどこの国の山?
エベレストは中国南西部に位置するチベット自治区ティンリと、ネパールのサガルマータとの国境にあります。
サガルマータはネパール語でエベレストを意味していて、エベレストを含むヒマラヤ山脈の有名な山々を含む1,148平方キロメートルの敷地がサガルマータ国立公園になっています。
8000m級の山頂を目指す登山家もいれば、標高が低い山でトレッキングコースを楽しむ人々も訪れているそうです。
サガルマータ国立公園は世界遺産自然遺産に登録されていて、公園内にある湖はラムサール条約の湿地に登録されています。
貴重な自然を保護する活動が活発に行われているんですね。
ネパールはインドと中国に挟まれたように位置しています。
インド人に「エベレストはどこの山?」と聞くと、インドと答える方が多くいるようです。
それは、19世紀に起こったグルカ戦争が関わっています。
ネパールのグルカ王朝が領地を広げようと周辺国と争いを続けていました。
グルカ戦争ではネパールと、当時インドを支配していたイギリスが戦争し、イギリスが勝利しました。
その結果ネパールもイギリスの支配下に置かれることになり、エベレストが一時的にインドの山になったことがあるそうです。
のちにこれが有名なアヘン戦争につながります。国境が多くあるこの地域は歴史を調べてみるととても興味深いですね。
『エベレスト』の公式HPはある?
日本人向けのエベレストの公式HPはありませんでした。
そりゃそうですよね。
『エベレスト』の特徴
なんといっても、高い標高です。
標高は約8848mと言われています。
ジェット機が高度7000m〜12000mを飛行するので、飛んでいるジェット機と同じぐらいの高さなんですね。
そんな高さを誇るエベレストですが、昔は海の底だったという話はご存じでしょうか?
インドとユーラシア大陸はもともとは離れていました。約7000万年前には、インドは南半球にあったそうです。
そこからプレートの動きで北上を続け、ついにインドとユーラシア大陸がぶつかり、つながることでインドもユーラシア大陸の一部になったと考えられています。
ぶつかっても、インドが北上しようとするプレートの動きは止まらず、地面を圧縮し、押し上げながらどんどん山をつくり、ヒマラヤ山脈ができたと言われています。
実際に、エベレスト山では海の生物の化石が見つかっているようですよ。
面白いですよね。
今もインドとユーラシア大陸は少しずつ近づいていて、エベレストも年間数ミリずつ標高が高くなるそうですが、標高が高いゆえに侵食・風化も激しく、標高は変わらないという見方もあり、リアルタイムで正確な標高は誰にもわからないようです。地球のエネルギーの大きさを感じます。
『エベレスト』が『チョモランマ』は一緒の山?
エベレストとチョモランマは一緒の山です。
エベレストにはいくつかの呼び名があります。エベレストは英語です。
イギリスのインド測量局長官だったジョージ・エベレストさんの名前が由来しているそうです。
その次に多い呼ばれ方がチョモランマ(珠穆朗瑪)です。
これはチベット語で「大地の母神」という意味をもっています。
そして、サガルマータという呼び名もあります。
「世界の頂上」という意味で、ネパール政府が1960年代に命名し、エベレストやチョモランマに対抗する意図もあったようです。
『エベレスト』が別名『チョモランマ』と呼ばれる理由
エベレストの次に使われることが多い、チョモランマという呼び名について紹介します。
日本にこの呼び名が浸透し始めたのは1980年代だそうです。
テレビを通して、この呼び名が広まったとされています。
エベレストに登るためのルートは北の中国・チベット側から登るルートと、南東のネパール側から登るルートの2つに分かれます。
エベレストの登山関係のニュースや番組の中で、中国チベット側から登った場合にチョモランマの呼び名を使うことが多いそうです。
2つの呼び名が同じ意味であることを伝えるために「エベレスト(チョモランマ)」「チョモランマ(エベレスト)」というように表記することもあります。
参考例:https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/086.html
驚愕!『エベレスト』の登山料はいくら?
世界には、山を含む周辺の環境保全や登山者の安全対策を目的として、登山料を徴収している山が多くあります。
日本では富士山に登るときに登山料がかかります。
富士山保全協力金という形で、一人当たり1000円かかるそうです。
エベレストはネパール側からの登山料が約110万円、中国側からの入山料が約73万円です。
もちろん、入山料以外にもシェルパという地元の登山ガイドさんをつけるために約40万円、渡航費と装備代と保険代も合わせると、1000万円近くかかります。
また、時間もかかります。酸素の薄い環境に徐々に体を慣らすために、頂上に行くまでに4回ぐらいキャンプをするそうです。
時間もかかり、お金もかかりますが、安全な登山のためには必要不可欠なんですね。
『エベレスト』の登山ルートはいくつある?
既に紹介していますが、エベレストの登山ルートは中国チベット側の北稜ルートとネパール側の南東稜ルートの2つがあります。
北稜ルートは1924年にジョージ・マロリーさんというイギリスの登山家が登ったとされるルートです。
標高5100mまで車で行けることと、標高6400m地点までヤクという大型動物に荷物を運んでもらえることが大きなメリットだそうです。
しかし、すぐに高い地点に登れてしまうため、体を慣らすのが大変であることと、チベットの政治的なトラブルで閉鎖されることもあるようです。
南東稜ルートはツアーなどでも人気があり、山頂にいける可能性も高いと言われています。
1953年にエドモンド・ヒラリーさんというニュージーランドの登山家が初めて登頂したルートです。
登ったり降りたりしながら徐々に標高の高いところにいけるのがメリットです。
日本人で初めてエベレスト登頂に成功した人は植村直己さんと松浦輝夫さんです。
1970年5月11日に山頂に着いたという記録がありました。
この2人も南東稜ルートを使ったそうですよ。
『エベレスト』はどこの国の山?『エベレスト』の公式HPはある?『エベレスト』の標高など一般常識をチェック♪まとめ
以上、エベレストはどこの国の山なのかについてご紹介しました。
疑問はとけたでしょうか!
プロの登山家でも軽々に行ける場所ではありません。
富士山ですら登るのは大変なのですから。
エベレストへ登る方は資金をどう工面しているのか、そちらの方が気になってしまいました。